妊娠線は見た目だけの問題ではなく、場合によっては不快感をもたらすこともあります。その不快感の中でも「妊娠線が痒い」と言う方は多いものです。肌が痒いことは妊娠線に限らず、他の肌トラブルでもよくありがちなことです。

なので、耐えられないほどの痒みでなければ、「妊娠中だけの我慢!」と思ってスルーしてしまうかも知れませんね。でも、妊娠線の痒みは妊娠中で終わらず、産後もずっと引きずってしまう方もいます。

痒みは掻いているうちに痒みが悪化したり、引っ掻き傷を残してしまったりすることもあります。できることなら大した痒みでないうちに、何らかの対策ができるベストです。では、妊娠線が痒い時の対処法、皮膚科での診察などについて見ていきましょう。

・妊娠線の痒みは通常の傷の痒みと同じようなもの

「なぜ妊娠線が痒くなるのだろうか?」と、疑問を持ったことはありませんか。まず、妊娠線は怪我をした時にできる傷と同じようなもので、皮膚の内部にある真皮・皮下組織に割れ目ができたものです。

怪我をした時にできる傷はだんだん治っていくのですが、その時に痒みを感じたことのある方は多いでしょう。傷と妊娠線が同じようなものなら、妊娠線もだんだんと治っていく過程で痒みを感じるのは当然です。

ただ、妊娠中は通常以上に激しい痒みを感じることも多いものです。と言うのは、妊娠中はホルモンバランスが変化して肌質も変わることがあるので、肌が乾燥している方ほど敏感で痒みを感じやすくなります。

汗や皮脂による刺激だけでも、強い痒みを感じてしまうこともあります。これを「妊娠性皮膚掻痒症」と言うのですが、100人に1~2人くらいの割合で発症すると言われています。

それほど酷い痒みでなければ、妊娠中だけの痒みとして我慢してしまうのも有りです。でも、酷い症状に発展しそうな場合には、やはり適切な対処をすることをお勧めします。妊娠期間は10ヶ月もあって長いですし、少しでも快適に過ごせる方が良いに決まっていますから。

・できるだけ刺激を与えないようにすること

妊娠線は肌トラブルとして考えていない方も多いでしょうが、実は肌トラブルの一種です。肌トラブルを起こしてしまった時にまず注意すべきことと言えば、できるだけ刺激を与えないことです。

例えば、痒いからと言って、爪を使って掻きむしっていませんか。あまりに痒みが酷い場合には肌が炎症を起こしたり、血が出てしまったりするほど掻きむしってしまうこともあるかも知れませんね。

でも、思いっきり掻いたところでスッキリするどころか、肌トラブルを悪化させてしまう危険性の方が高いです。また、妊娠線ができる時点で既に肌は刺激を受けているのに、これ以上刺激を与えてしまうとメラニンによる色素沈着が起こることがあります。

メラニンによる色素沈着でシミや黒ずみなどが残ってしまうと、ケアをしてもなかなか消えません。また、肌への刺激と言うと掻きむしること以外に、衣類の刺激もありますよね。

衣類の素材に関しては、摩擦による刺激を起こしやすい化学繊維は避けて、綿やシルクなどの肌に馴染みやすい素材を選ぶのが良いでしょう。肌にぴったり密着して、肌を圧迫するような衣類も避けた方が良いです。

・とにかく清潔を心掛けること

入浴は通常は気持ち良くても、妊娠中ばかりは体調が優れず気が進まないこともあるでしょう。特に妊娠初期のつわりの時期は、お風呂の湯気を感じるだけでも気分が悪くなることもありますよね。

もちろん、「体調が優れない時も無理をしてでも入浴しましょう。」とは言いません。できれば1日1回入浴して体を綺麗にした方が良いのですが、無理であれば1日おきや2日おきになってしまっても仕方がありません。

入浴した時は体を丁寧に洗うように心掛けてください。また、清潔を心掛けるためには常に清潔な衣類を着ることも大切です。1日1回の入浴ができなければ、せめて衣類だけでも洗濯済みの綺麗なものに交換しましょう。

「寒い時期だから大丈夫!」と言って、2~3日以上も同じ衣類を着ていては肌に刺激になります。着替えは1日1回と言わず、できることなら汗が気になった時、汚れが気になった時にこまめに替えた方が良いですよ。意外なことに衣類を綺麗なものに買えるだけでも、妊娠線の痒みが落ち着くこともありますから。

・妊娠線対策用のスキンケア用品を使うこと

妊娠線が痒い時には肌の乾燥が関係していることが多いので、妊娠線対策用のスキンケア用品を使って保湿ケアを行いましょう。妊娠線対策用のスキンケア用品でなくても、刺激が少なくて保湿性の高いスキンケア用品であれば問題ありません。

それで、保湿ケアは妊娠線の割れ目がある場所とか、痒みを感じる部分だけでは不十分です。痒みがある場所の周辺まで、お腹全体をしっかりと保湿しましょう。痒みを感じるくらいの妊娠線ができているのなら、最低でも朝と夜の1日2回は保湿ケアが必要です。もう少し頑張れそうであれば、昼も含めて1日3回保湿ケアができるとベストです。

また、保湿ケアでも痒みが治まらない場合には、痒みの気になる部分を冷やして一時的に血流を悪くするのも効果的です。ただ、妊婦さんがお腹を冷やしすぎるのは良くないので、お腹が温かすぎる時に衣類の中の熱気を換気してやるくらいにした方が良いかも知れません。

・皮膚科よりもまずは産婦人科の医師に相談を!

「どんな対処法を取っても、妊娠線の痒みが治まらない。」と言う方はいませんか。あまりにも痒くて我慢できなかったり、大変なトラブルに発展しそうだったりするのであれば、医師に相談した方が安心です。

「たかが妊娠線。」なんて思ってしまいそうですが、医師に相談する方もいますよ。ここで、皮膚科に相談することを考えている方も多いでしょう。でも、産婦人科の医師の方が今までの妊娠経過を把握していますし、赤ちゃんに影響が少ない薬を処方してくれるはずです。

もちろん、産婦人科での妊婦健診がだいぶ先である場合には、近くの皮膚科にかかった方が早く対処できることもあります。皮膚科にかかる時は、必ず妊娠していることを医師に伝えましょう。

ちなみに、痒み止めには外用薬が多いのですが、「内服薬でなければ大丈夫。」なんて言うことはありません。外用薬の中にも赤ちゃんに影響が及ぶものもあるので、納得が行くまで説明を聞いてから薬を使用しましょう。

・まとめ

妊娠線の痒みは通常の傷の痛みを同じようなもので、だんだんと治っていく過程で感じることが多いです。ただ、妊娠中はホルモンバランスの変化から、痒みが酷く感じられやすいものです。

「妊娠性皮膚掻痒症」と言ってちょっとした刺激で、強い痒みを感じる方もいるくらいなので、妊娠線に気付いたら早めに対処するに越したことはありません。

それで、妊娠線が痒い時の対処法としては、「できるだけ刺激を与えないようにする。」「常に清潔にしておく。」「妊娠線対策用のスキンケア用品を使う」などが挙げられます。刺激に関しては掻きむしらないようにするだけでなく、衣類の素材も綿やシルクなどの肌に優しいものにするのが良いでしょう。4

清潔に関しては入浴で丁寧に洗うのはもちろんのこと、衣類も汚れたらすぐに洗濯済みの綺麗なものに交換しましょう。スキンケアに関しては低刺激で保湿性の高いスキンケア用品を使って、1日2~3回のケアを心掛けましょう。

自宅での対処でも痒みが改善しない場合には、まずは産婦人科の医師に相談してみるのがお勧めです。産婦人科に行くのがだいぶ先になってしまいそうな場合には、皮膚科でも大丈夫です。その際には妊娠していることを伝えて、赤ちゃんに悪影響の少ない薬を処方してもらいましょう。

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