妊娠線と似たような線で、「正中線」と言う線があるのを知っていましたか。ここで「正中線なんて初めて知ったよ。」と言う方は、もしかしたら今まで妊娠線だと思っていたのが実は正中線なのかも知れませんよ。

いや、妊娠線と正中線を混合している方だと、妊娠線を正中線だと思い込んでいることもあるかも知れません。いずれにしても間違った認識をしていては、間違ったケアをしてしまうでしょうし十分な効果も期待できません。

妊娠中はホルモンバランスの変化で、色々な体の変化があるのは当然です。でも、「妊娠中に目立ってくる線=妊娠線」と言う訳ではないので、正しいケアを確実に行うためにもこの機会に正しい知識を得ましょう。では、今回は妊娠線と正中線の違いは何か、具体的に説明しましょう。

・妊娠線は肉割れの一種

妊娠線は名前の通り妊娠中にできる線なのですが、実は肉割れの一種です。「成長期に急激に身長が伸びて肉割れした。」「太り過ぎて肉割れした。」このようなことを聞いたことはありませんか。

妊娠線のメカニズムはこれらと同じで、妊娠線が成長期や太った時の肉割れと違うのは妊娠中にできることくらいです。具体的なメカニズムとしては急激に皮膚の面積が広がって、皮膚内部の皮下組織が表皮の伸びに追いつけず裂けてしまうのです。

「表皮は柔軟性があって伸びやすいのに、皮下組織は柔軟性に乏しく伸びにくい。」このような表皮と皮下組織の性質の違いから肉割れが起こるのです。妊娠中は妊娠週数が進むほど、赤ちゃんが大きく成長していきます。

それに加えて、つわりが落ち着いた後の急激な食欲で、脂肪を増やしすぎてしまうと肉割れが起こりやすくなります。妊娠中はホルモンバランスの関係で、妊娠前よりも脂肪を溜め込みやすい体になっています。

なので、「そんなにたくさん食べていないはずなのに太る。」と言うこともよくあります。こんな時は食事の内容に問題があるのかも知れません。脂っこいものや糖分の多いものを食べていては、無意識のうちに太っているのも無理はありません。妊娠中の間だけでも外食や高カロリー食は控えめにして、栄養バランスの良い和食中心の食事にしましょう。

・正中線は誰にでもあるもの

お腹をよく見るとおへそを通る黒っぽい上下線が、左右を半分に分けているのが見えませんか。正中線はこの上下線のことです。妊娠線は妊娠中にできるものなのですが、実は正中線は誰にでも元々あるものなのです。正中線を妊娠線と間違えやすいのは、普段正中線をあまり意識しないからなのでしょう。

妊娠前は正中線そのものが薄くて目立たないですし、わざわざお腹の細かいことをチェックすることは少ないですよね。でも、妊娠してからは赤ちゃんの成長が気になりますし、お腹に目が行くことが多いでしょう。

そこで、初めてあることに気付いた正中線を、妊娠線だと思い込んでしまうのです。そもそも、私たち人間はお母さんのお腹の中にいる時に、細胞分裂を起こしながら体の色々な部分を形成していきます。

分裂して半分に分かれた時にできて、今に至るまで長く残り続けてきたものが正中線だと言われています。「本当?」と疑問を持った方は、お子さんをお風呂に入れている時や着替えを手伝っている時などに、お子さんのおへそ辺りを見てみると薄めの正中線を発見できるかも知れません。

正中線はメラニン色素の影響を受けやすく、ホルモンバランスの関係でメラニン色素が増加しやすい妊娠中は目立ちやすくなります。

・正中線は気にしなくても大丈夫

女性として「肌を汚く見せるものは全て消したい!」と思いますよね。でも、正中線は老若男女誰にでもあるもので、違うとしたら薄いか濃いかくらいです。もちろん、この違いこそが気になるのでしょうが、基本的には気にしなくて大丈夫です。

正中線のためだけに特別に、スキンケアをする必要もありません。正中線が濃くなるのは、妊娠中に増加するメラニン色素の影響です。なので、無事出産を迎えてホルモンバランスが安定すれば、正中線は妊娠前のように薄くなります。

ホルモンバランスが安定しているかどうかは、生理の再開や体調の安定が目安になります。早い方で産後半年までに、遅い人でも産後数年の間には正中線が元通りになります。それでも気になるのであれば、妊娠線と同じスキンケアをしても良いですし、ビタミンCをしっかり摂取することを心掛けてみても良いでしょう。

ビタミンCは色々な野菜に含まれているので、野菜中心の食生活を送っていると十分な量摂取しやすいです。体調の関係で食事が摂りにくい場合は、妊婦さん向けのサプリメントを上手に活用しましょう。

また、メラニン色素は肌に刺激を与えると、肌を守るために多く生成されやすくなります。柔らか素材で締め付け感の少ない服で、摩擦による刺激を最小限に抑えましょう。入浴中に石鹸で洗う時に、ゴシゴシ擦り洗いも避けましょう。

・妊娠線は産後に残りやすいもの

正中線はケアをせずに放置したままでも自然に治るのですが、妊娠線は一度できてしまうと自然に治りにくいです。薄めの妊娠線であれば放置しても治ることがありますが、はっきりした妊娠線ほど治すのにケアが必要です。

肌が炎症を起こして赤くなっていたり、乾燥して痒かったりなどした場合には、すぐにでもケアを始めた方が良いです。いや、今妊娠線ができていない方でも、妊娠中の間は出産までの間にできる可能性があります。

妊娠週数が進むにつれて妊娠線ができやすく、妊娠8~10ヶ月の間に妊娠線ができてしまう方が多いです。なので、妊娠線の予防対策をすぐにでも始めた方が、皮膚の被害を最小限に食い止められます。

具体的なケアとしては、妊娠線対策用のスキンケア用品、妊婦さん用の保湿ケア用品などを塗るのです。お腹の中で妊娠線ができやすい場所は、おへその下側です。

お腹の上側よりも下側の方が妊娠線ができやすいので、お腹の下側は上側以上にしっかりケアをしておきましょう。特に肌が乾燥しやすい入浴後は、欠かさずにケアしておきたいものです。

ちなみに、妊娠線は正中線とは違ってお腹以外の場所、胸や太ももの付け根、二の腕などの肉が付きやすい場所にもできやすいです。お腹に比べるとできにくいのですが、急激な体重増加があった場合は「やりすぎかも!」と言うくらいケアをしておいた方が安心です。できるなら全身をケアしておくと、万全に近い対策になるかも知れませんね。

・まとめ

妊娠線は肉割れの一種で、一度できるとなかなか消えません。だからこそ、妊娠線ができていないうちは予防対策を、妊娠線ができてからは妊娠線を薄くするための対策を徹底することがポイントです。

前者も後者も対策方法はほとんど同じで、適切な体重管理とこまめなスキンケアを行うことです。スキンケアは安定期ばかり張り切ってしまいがちですが、実は安定期よりも妊娠8~10ヶ月の方が妊娠線ができやすいのです。

お腹以外に胸や太ももの付け根、二の腕などにもできることがあるので注意が必要です。少なくとも出産を迎えるまでは油断せずに、頑張って対策を続けましょう。一方、正中線はママのお腹にいた頃の細胞分裂の証で、誰のお腹にもあるものです。

なので、これと言った予防対策はなく、出産を迎えてホルモンバランスが安定するのを待つだけで大丈夫です。どうしても気になる場合には妊娠線と同じようにスキンケアをしたり、ビタミンCをしっかり摂取したりなどの対策もできます。できるだけ肌に刺激を与えないようにして、メラニン色素の増加を最小限に抑えることも大切です。

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